ガラクタギター博物館
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LaidBack LPS450
2008

AP ARIA CUSTOM SHOP MA 1991

1990年頃始まったと思われるAP“PRO MUSICIAN LINE”はセミオーダーシステムとも言うべきもので、ボディ・シェイプは既存のモデルの中から選択し、材やパーツ類は厳選された高級なものを選択できた。 ハンドメイド・ギターと比べてリーズナブルなことが売りだったようだ。(それでも10万、20万〜)ヘッドに大きく入れられたAPロゴがその証。

因みに、MAGNAシリーズは1980年代終り頃のAQUANOTE、THE WARRIORの流れを随所に見ることができる。元々の祖先はRSシリーズということになるだろうか。ストラト・タイプのアーチド・トップは結果的にCharvel/JacksonのSoloistにそっくりな気もするが、こちらの方は彫が深い。ヘッドストックは1983年のXX,ZZからの意匠で、後のRS等延々と使われているタイプ。

この個体も、カタログモデルとしては見当たらないので、多分誰かのオーダーだったのだろう。 シリアルNoからみると1991年のようだが、ボディ・シェイプは通常のMAGNAとは違い、緩やかな曲線のカーヴド・トップ。ある時期からはこれもラインナップされていたようで、1996年頃にはMAC(MAGNA CARVED)としてレギュラーモデルに加わったようだ。シリーズ共通の大胆なスプーンカットが、ナチュラル・カラーだけにいっそう目を惹く。 材はアッシュ2P。選択されたP.U.はセイモア・ダンカンのSSL-1×2、SH-4×1、ネックはメイプルのスカーフ・ジョイントのローズ指板で22F.650mmスケール。ナットはメタルのローラータイプ。ジョイントはヒールレスとなっている。5ポジションSWの他、コイルタップSWを装備。 ハードウェアはSilver Blackとなっており、ブリッジはオリジナルのLFT-1。(弦をロックしないロック・フリー・システムと銘打っている)PRS風の大人しいルックスだがローラーナットと相まって狂いは少ない。

フロイドローズも選択できたようだが、後のカタログではウィルキンソンのものが多い。サウンドは、ルックスとは対照的で大人しい(というかオールド志向な)感じ。

SSL-1なので出力は抑え目で、いわゆる枯れたサウンドになっている。言い換えればきらびやかというか鈴のようなというか、ちゃんと弾けないと(特に単音ではきつそう)腕がモロに出るP.U.という感じです。リアのSH-4いわゆるJBモデルも高域が出やすいタイプのためか全体的にはバランス良くスッキリ・シャッキリした印象のギターに仕上がっている。

マグナといえば、いつしかセット売りの初心者向けモデルが通販で売られており、それら安物モデルが二束三文で売られているのを良く見かけるため、どうしても良いイメージがないのだが、さすがに高級モデルはちゃんとやればできるんですね(笑)。もっとも年代的にもうマツモクで作られてはいないので思い入れが湧かないのはしかたないのですが、いいギターです。ヘッドのデザインがもう一工夫あれば尚いいかも。(共通で使いすぎ!)

因みに近くのリサイクルショップで発見したのだが、モデルが特定できなかったためか?あるいは、ネックはかなり順反ってるしブリッジが超前傾姿勢だし弦高が尋常じゃない(笑)。そんなためか、ちょっと意外な安値が付いていた。(それでも値切りは忘れないのだが。まけてくれなかったけど・・) ボロボロのLegendのストラトに2万円超えの価格を付ける店だけに油断できない(笑)。